防災図鑑〜[PART-2]ワンコと主婦編〜 (芦家幸菜)

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ワンコと防災


よく晴れた金曜日の夕方。目の前には明石海峡大橋が見える舞子公園にて、2 匹のワンコを連れた N さんに防災とワンコ(ポッポ君とノイ君)について、お話を伺った。


N さんは一昨年の夏頃、災害時にワンコとともに避難するにはどうしたらいいかという話を旦那さんとしたことをきっかけに、ペットキャリーを購入した。


(ペットキャリー)


日常生活の中で災害時の備えを考えるようになったきっかけは何ですか?
台風 21 号(平成 30 年に近畿地方を中心に甚大な被害をもたらした台風)で、マンションの窓ガラスが割れてしまっていたかもしれないほどの強風を経験し、災害の恐ろしさを実感したことがきっかけ。

私の家でも大きな災害がニュースで流れるたびに「災害に備えてなんかせななぁ」という話になる。しかしその「何か」はなかなか実行されないし、しないのが現実だ。話し合うだけじゃなく、実際に動くってすごく面倒で難しいことだと思う。


○リュックが届いたらまず何をしましたか?
とりあえずワンコたちをリュックに入れてインスタグラムにアップした。その後、お花見に行った際に、いざと言う時の練習がてら実際に使ってみた。

そうお話ししてくださるN さんは、実際にリュックの中にすっぽりと収まっているノイ君とポッポ君を見せてくれた。2 匹は、小さな子どものように N さんと旦那さんの肩に手を ぽんっと乗せている。


「お友達は(ワンコが)靴を履く練習をしていました」と話すN さん。そこでふと疑問に思ったことを聞いてみた。

○ご近所同士で防災の話題になることがあるんですか?
インスタグラムでつながっている人とお話しすることがある。特に台風や地震があった後に防災のことをみんな考えるようで、購入した防災用具をインスタグラムに投稿したりしている。その投稿をきっかけに「それどこの?」という話になり、防災についての情 報交換がはじまる。ペットキャリーもお友達が使っているのを見て、いいなと思い購入した。

ワンコという共通点から、人と人との繋がりが生まれるとともに防災への意識も共有されるようだ。

○最後に、防災について考える 1 番の理由は何ですか?
「この子たちを守らないといけない、置いてはいけない」

そう言いながら、優しい眼差しを遊んでいるノイ君とポッポ君に向ける N さん。よく見ると彼らは迷子札を付けており、首輪とペットキャリーには「NOI」「POPPO」と名前が記さ れている。そこには、もしも離れ離れになってしまっても家族がすぐに会えるようにという Nさん夫妻の願いが込められていると感じた。

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