震災25年「語り継ぐ学校防災」 ~その時学校では何が起こっていたのか~

若者キャンペーン, 防災学

事業名

震災25年「語り継ぐ学校防災」 ~その時学校では何が起こっていたのか~

グループ名

兵庫県立大学 学生 災害復興支援団体LAN(Leaders’ Active Network)

事業概要

阪神・淡路大震災の時、学校現場で何が起こっていたのかを明らかにすべく、以下の3つの事業を行う。

(1)教職員の立場から見た阪神・淡路大震災
当時の様々な校種、役職、立場の教職員を対象に、それぞれの立場において迫られた様々な難しい判断などを聞き取る。その内容から、「避難所における教職員の振る舞い」「教育再開に向けての動き」「災害前に準備できること」「災害時に迫られる判断」などを明らかにすることができ、今後の災害に備えて、学校防災マニュアルや体制に生かせるものを体系化することを目標としている。

(2)児童・生徒の立場から見た阪神・淡路大震災
当時小・中・高生で、現在教員をされている方に聞き取り調査を行う。地震発生から教育再開までの様子を聞き取る。さらに、現在の教員という立場から、被災後に児童・生徒としてできることは何かを聞き取る。これらから、児童・生徒が主体となる防災教育を体系づけることを目標としている。

(3)防災授業への活用
今後、学校現場において震災を経験していない世代が児童・生徒に防災教育を行う状況が生まれることは明らかである。教師が自分の言葉で震災を語ることも重要だが、経験者の生の言葉を授業で児童・生徒に届けられるようにするに越したことはない。そういったニーズに応えるべく、授業等で活用できるよう、聞き取り調査時の映像や資料をDVD等に編集することで、教材科することを目標としている。

このプロジェクトへの思い

このプロジェクトを行う1つ目の理由は、学校防災マニュアルの課題が東日本大震災以降注目されているからだ。大川小学校の悲劇以降、マニュアルの内容が、様々な想定に対応できるもので、かつ、各教職員が何をすべきかが明らかにされていることが必要となった。しかし、兵庫県の学校防災マニュアルなどを見ても、完全なものとは言えないのが現状だ。そこで、防災体制の必要性の原点となった阪神・淡路大震災に立ち戻り、当時学校では何が起こっていたのかを明らかにすることが今求められていることだと感じた。
2つ目は、災害に強いまちづくりと子どもたちの力の可能性だ。災害発生時や復旧・復興段階において、児童・生徒の力の重要性が謳われている。小学生の手を引いて中学生が避難した釜石の奇跡は有名な話で、舞子高校環境防災科の高校生ボランティアも歴史がある。阪神・淡路大震災の時も、避難所運営に小学生が関わっていたような記録も残っている。今一度、当時の児童・生徒の活躍を明らかにし、災害につよいまちづくりにどのように貢献できるかを明らかにしたいと感じた。
3つ目は、25年という節目である。当時震災を経験された方の体験を形に残せる機会は今後どんどんと減っていってしまう。これからの防災・減災を担っていく世代がその経験を引き継いでいかなければならない。この25年という節目こそ、当時の様々なお話を直接聞き、これからの世代が引き継いでいくチャンスだと考える。