防災教材絵本「あっこちゃんのはさみ」を使った防災授業・教材の普及

開発

事業名

防災教材絵本「あっこちゃんのはさみ」を使った防災授業・教材の普及

グループ名

神戸学院大学 舩木ゼミ

事業概要

本事業では、昨年度、私たちが作成した防災教材絵本「あっこちゃんのはさみ」をベースにストーリーを改定し、アニメーション教材に発展させ、出前授業を行うとともに、Youtubeを通じて日本国内、世界に阪神・淡路大震災で起こった事実を発信していきます。
「あっこちゃんのはさみ」は、阪神・淡路大震災で家屋の下敷きになり、クラッシュシンドロームによって娘を亡くした母親の24年間の年月をまとめた「ある女性の阪神淡路大震災」を伝えるための絵本でです。絵本の内容は、「震災前・直後の状況」「娘の生きていた証を残すために活動した母親と周りの人々との関わり」「震災から20年たって娘のはさみが見つかったとき」の大きく3つに分けて構成しています。昨年度は、この絵本を使用し、震災の語り継ぎを目的に学生自らが小学校に出向いて防災授業を行ってきました。その中で、私たちはこの話をもっと多くの人たちに伝えたいと思うようになりました。小学生は震災の経験がありません。災害時の想像力を補助するためにはもっと絵に動きを入れストーリーを改善する必要があると感じました。
本事業では、絵本の内容をアニメーション化し、見やすく、記憶に残りやすい媒体を作ります。また、動画では、学生が絵本を朗読した音声を吹き込むだけでなく、映像関係者を講師として招き、学生たちが編集の仕方を学び自分たちで制作します。

このプロジェクトへの思い

舩木ゼミは、毎年オリジナルの防災教材を作り小学校で防災授業を行うっています。先輩たちから代々10年以上活動を行っています。
私たちは、先輩からの教材を引継ぎならがらも新たな教材作りにチャレンジしています。ある語り部さんと出会い、「命の大切さ」、「阪神・淡路大震災で実際に起こった出来事をただの歴史と捉えるのではなく、自分のこととして感じてもらいたい」「周りにいる人々がいるからこそ自分たちは生きている」ということを伝えたいと思い、昨年度、「あっこちゃんのはさみ」の絵本をを制作しました。何度も取材を重ね、半年の期間をかけて完成させました。絵本を使った出前授業を小学校で行う中で、私たちは、この絵本を被災した兵庫県内だけでなく、全国に広めたいと考えるようになりました。そこで、絵本を朗読し動画にまとめた新しい形の教材にすれば、全国の人に届きやすくなるのではないかと考え、プロジェクトを立ち上げました。
私事ですが、リーダーの私(新妻)は仙台出身で、東日本大震災をきっかけに防災のことを学びたいと思いここ神戸の地で勉強をしています。阪神・淡路大震災から20年経って遺品のはさみがでてきた出来事、頑張っていればご褒美があるんだ、というあっこちゃんのお母さんの言葉を聞いて、仙台の未来が神戸にあるような気持ちになりました。そして私が学んだことを仙台でも伝えたいと思いました。