「防災士!これでいいの?」。(稲澤遥樹)

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防災士稲澤遥樹、誕生!

いきなりですが、皆さんは「防災士」という資格を持った人をご存知でしょうか?緑のジャケットを着て被災地に現れ、その地域の方に寄り添い、様々な方法で共に復興へのお手伝いをさせていただき、平常時は様々なところで「自助」「共助」の大切さをお伝えするための一定以上の技術と知識を持った人達の事です。


私は4歳の頃に見た「ドスペ!『草野仁の緊急検証 巨大地震は必ず来る!』」という番組に心を打たれ「防災」というものに非常に興味を持ちました。そして様々な書籍やテレビ番組の特集を数多く見て、独学ながら勉強をしました。しかし、書籍や映像などで得られる知識には限界がありました。また私の周りには同じように防災意欲があり、刺激し合える仲間がおらず孤独感に苛まれていました。
そんな時、防災士の先輩から「防災士」の講習を紹介していただき、参加することにしました。するとそこでは有名大学の名誉教授の方や震災時に災害対策本部で活躍されていた方、ワークショップなどを開かれている方など本当に多様な価値観をもち、数多くの経験をされている方々が講師として教鞭をとられ、また参加されている方もとても防災意識の高い方が各地から来られていました。そのような環境で半年間勉強をしました。その間、自分にとっては毎回が非常に新鮮で、有意義な半年間を過ごしました。そして半年後、「防災士」の試験に挑戦し、無事資格を取得。「これから地元高砂市を中心に防災士としてがんばるぞ!」という気持ちでいっぱいでした。

あれ?自分っておかしいの?

そうして防災士取得をきっかけに、沢山の講演会やシンポジウムに出席することが増えました。すると周りの大人達からはどのイベントに行っても「まだ若いのに防災に興味を持つなんてすごいね~」や「普通そんなことは考えないよ?変わっているね!」と沢山の方に言われました。確かにそうして自分に興味を持って言ってくださることは、本当にありがたいことです。しかし、私はそうして褒めてもらいたくて、そう言ってもらいたくて防災士になったのでは無いのです。気づけば「防災」というものに興味を持っており、講習会や防災訓練などに沢山参加し、その度新しい事を学び、成長してきたと思っています。確かに同級生などで幼少期から防災に興味をもっていた人は未だ耳にしたことがありません。私はそこに大きなギャップを感じています。なぜ他の人は自分の命とほぼ直接関わってくる防災に幼い頃から興味を抱かないのだろう。

防災士って・・・

そのような想いを持ちながら、微力ながら一防災士として、防災士の先輩にお誘いいただいた各地の防災訓練などに参加していました。
しかしそんな時にある想いが芽生えました。
「このままでいいのだろうか?」
確かに一部の防災士同士では意見交換が盛んに行われています。しかし、それはあくまでも一部の話。もし実際に災害が起こったら?現場では何が一番大切なんやろう?
私は考えました。
防災士同士で内々でやっていても意味が無いのでは?しっかりと行政との連携が、実際の現場ではもちろん日頃の訓練から大事なのではないだろうか?
兵庫県は阪神・淡路大震災も経験しておりその記憶を風化させないための努力をされています。しかしどうでしょうか、 私の知る限り兵庫県の防災士は他県と比べ、行政との連携が取れていないように思います。これではただの「防災マニア集団」でしかありません。本当に防災士は必要なのでしょうか?また行政や自衛隊、消防隊などは防災士に実際の現場でどのような役割を担ってほしいと考えられているのか?防災士の仲間は、自分たちが現場でどのような役割を担うと考えているのか?


この様な問いを持ち、防災士の目線から、「防災士は本当に必要なのか」そして「防災士のあるべき姿」を探す旅に出たいと思います。