Iさんに聞く 後編(原 郁海)
仕事している間に余震は来る
怖い
でも
何かできることがないかな
いてもたってもいられない
歯がゆい
リスナーに役立つ情報を届けたい
被災していても仕事をしなければという「使命感」があった
「頑張ってくださいではなく、我々も被災者だから一緒に頑張ろう」
当時リクエストが多かった曲は、坂本九さんの「Sukiyaki」
上を向いて歩こう
涙がこぼれないように
泣きながら 歩く
一人ぽっちの夜
お金なんて役に立たない
自販機も使えない
電話は2時間並んで無料
お金を使うところなんてなかった
裸足で逃げたら、コンビニのおにいちゃんが「通勤快速」をくれて暖を取れた
私は生かされている
たまたまが重なったのだ
KissFMに勤めていたから
ジャックダニエルを飲んで楽しんで生きつづけられた
あのパワーはなんだったのか
4階まで
4往復のバケツリレーしても
会社で連日寝泊まりしても
しんどくなんてなかった
楽しかった
あえて楽しく過ごそうとしたのかもしれない
死が近くにある
近くにご遺体がある経験なんてなかった
その頃は涙もろくもなり
不安定だったが
仕事で支え
仕事に支えられていた
▶︎前回の記事 Iさんに聞く 前編(原郁海)